小笠原で撮影した湾の写真は、見るたびに、あのとき過ごした優しい時間を思い出させてくれます。東京から約1000㎞離れた太平洋に浮かぶ小笠原諸島は、船で約25時間半かけてやっと辿り着くところ。小笠原で出会った旅仲間が、「ここは、魂の帰る場所なのかもしれないね」とつぶやいたように、私がここで過ごした時間は、珠玉のものでした。
「こころのドアを開く旅。ドアーズ」で連載している、ワンダー体験記。そこには、自然をテーマに、私のこころの旅を綴っています。「湾」では、とても大切なものを受け取った小笠原の旅の体験を記しました。静かに流れ、再生していく「何か」。その「何か」が、この体験記を読むあなたの「何か」と優しく共鳴することを嬉しく思います。